近代の経済論議
人生を生きるに値するものにし、人間の存在に深さと恵みを与えるものは、永遠に持続可能なものなのです。
今世紀に入って以来、近代産業経済を構築するための理念として、資本主義と社会主義のいずれをとるべきかが常に経済論議の焦点でした。
東ヨーロッパ諸国が急速に市場経済への傾きを強め、ソビエト経済が崩壊の瀬戸際に危うく踏みとどまっている今日、この議論にはもはや決着がついたかに見えます。
しかし、東側の急激な変革が巻き上げた政治の土ぼこりもまだおさまらぬうちに、より基本的な問題が姿を現わしてきました。
活力ある経済を、その基盤である自然資源や環境を損なうことなく築き上げるにはどうしたらよいかという問題です。
20兆ドル規模の地球経済は、その巨大な規模と成長の速さのゆえに現代の偉業とされています。
・・・しかし、環境の劣化が次第に加速されていく中で、経済のシステムと自然のシステムとの調和をおこたると、その結末がどうなるかということも次第に明らかになりつつあります。