自動車産業帝国 3
市場は静的なものでも、プラスマイナスゼロでもなく・・・
また〈自然〉あるいは〈平衡〉価格や、限定されたあるいは計測しうる需要に支配されるものではないことを示したのです。
フォードは高い収益は与えることによって、つまり低価格と高賃金によってもたらされるものであり、決して商売の実りを摘みとる不当な搾取からは生まれないことを実際に示しました。
これは資本主義の倫理的核心の発見です。
先を見越した価格を設定すること、つまりさし当っては大幅な収益増加の見こまれないような値下げをすることは、将来の不確かな利益のために一時的な犠牲を払うことです。
寛大で楽観的な企業精神をもって、フォードはこの値下げに投資したのでした。
さらに、値下げ攻勢の真只中で、フォードは賃金を2倍に上げました。
かの有名な前例のない日当5ドルへの賃上げです。
・・・ウォール・ストリート・ジャーナルは、これを"聖書の教えのはき違えだ"と非難しました。